外科
外科
当院では、麻酔をかけて手術を行う外科的治療を実施しております。
内科的治療で改善されない場合、腫瘍、異物、結石等が治療を妨げている場合、こういった場合は外科的な手術が適応になってきます。外科手術が必要なのかは、外見からではなかなか判断することができません。様々な検査を行った上で、必要な場合は外科手術を進めていきます。
腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍に分かれます。悪性の腫瘍は、一般的には、増殖しながら周囲に広がっていく浸潤の性質、血管やリンパ管を通って別の臓器に病変を作る転移の性質を持っており、「癌(がん)」や「肉腫」といった呼ばれ方をします。
皮膚、各種臓器、血液、骨、脂肪などあらゆるところで腫瘍は発生します。ワンちゃんやネコちゃんにも、リンパ腫、肥満細胞腫、血管肉腫など様々な悪性腫瘍ができます。腫瘍の種類や発生部位、進行状況によって、治療法が異なります。内科的治療(抗癌剤)で治療ができる腫瘍もあれば、外科手術が必要な腫瘍もあります。時には、放射線治療や緩和ケアも選択肢となり得ます。その子の年齢やライフスタイル、治療背景を考慮して最善の治療を話し合って決めていきます。
尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができてしまう病気です。特に雄のネコちゃんでは、結石や尿道栓子(結晶成分や炎症産物が固まったもの)が膀胱からペニスの間の尿道と呼ばれる部位が詰まってしまうため、おしっこが出なくなってしまう尿道閉塞を起こしてしまうことがあります。排尿ができない状態が1〜2日続くと急性腎不全を併発し、発見が遅れるとそのまま亡くなってしまいます。一時的な閉塞の解除処置を行なっても再発を繰り返すような場合は、尿道狭窄が起きている可能性があるため、会陰部尿道造瘻術(尿道を広げる手術)が適応になります。
また、フードの管理でも改善されない膀胱結石が膀胱炎を繰り返し起こす場合や尿管に結石が詰まってしまう場合も、外科的治療の対象になります。
誤食癖があり、本来食べてはいけないもの(おもちゃ、紐、果実の種子、布製品、ゴム製品等)を食べてしまうと、胃や腸で詰まったり、胃や腸を突き破ったりすることがあります。こういった場合、毎回食べた後すぐに吐くといった嘔吐の症状を繰り返し、激しい腹痛も起こしてしまいます。進行すると腸管の壊死、腹腔内出血、敗血症、腹膜炎、DIC(播種性血管内凝固症候群)、ショックを起こし亡くなってしまいます。閉塞や穿孔の所見がある場合は、救急的な外科手術が必要になります。
当院では、侵襲性の低い内視鏡機器での異物摘出も行なっていますので、開腹せずにすむ場合もありますので、症例に応じて相談しせていただきます。
椎間板物質が脊髄を圧迫することで、神経症状が出る病気です。ミニチュア・ダックスフンドやビーグルでよく見られる病気です。軽度なものは痛みを感じ動かなくなり、触るとキャンと鳴くようになります。
重度なものになると、痛みも感じなくなり、後ろ足を引きずって歩くようになります。同時に、おしっこも自力でできなくなってしまいます。軽度な場合は、安静を心がけて、鎮痛剤やステロイド等を使用して内科的に治療していき、重度の場合は片側椎弓切除術といった外科的な手術で治療していく必要があります。その際、CTやMRIといった精密検査を行い、病変部位を確定して手術を行います。
当院で対応が難しい検査、治療、手術に関しては、高度医療施設、2次診療施設、専門病院へのご紹介を行っています。こういった施設へは1次診療施設からの紹介状が必要となる場合があります。飼い主さんのニーズにお応えできるようにしていますので、お気軽にお問い合わせください。
当院での麻酔管理と手術には以下のような特徴があります。
STEP1受付・問診
受付いただきましたら、スタッフから問診させていただきます。どのような症状がいつごろからあるのか、どんなことが気になっているのか、気になることや聞きたいことをお伝えください。
お待ちしている間に、何かございましたらご遠慮なく受付にお声がけしてください。
STEP2身体検査
診察室へお入りいただきます。普段の様子や食欲の有無等もお伺いさせていただき、聴診、触診、検温等の身体検査を行います。問診や身体検査だけで診断がつかない場合は、より詳しい検査が必要になります。
STEP3検査
疼痛や食欲不振の原因がはっきりしない場合には、血液検査やレントゲン検査、超音波検査等へ進みます。腫瘍が見つかった場合はその場で細胞診検査を行います。より詳しい検査を行うことで、症状の原因を特定していきます。
STEP4検査結果の説明・治療方針のご相談
状態を確認したところで今後の治療方針を行います。腫瘍、結石、異物、外傷、その他治療過程で手術が必要な場合は外科治療を提案させていただきます。
全身麻酔下の手術が必要な場合は、今後の日程を組んでいきます。緊急疾患の場合、全身状態を確認後、直ちに手術へ進んでいきます。緊急疾患ではない場合は、麻酔をかけられる状態かを確認するための全身検査の日と、手術を行う日の日程を組んでいきます。手術を行う場合、そのまま入院管理となることが多いです。
STEP5お会計・次回の予約
受付でお会計、お薬のお渡しを行います。保険にご加入されている方は、予め保険証をご提示ください。